【業界別】中小企業のDX推進事例8選!目的やメリットも解説

「社内でDX化を進めたいけど、取り組みのイメージが湧かない」

「他の企業の成功事例を見てから、DXを始めるべきか判断したい」

DXを始めたいけど失敗するのが怖い、多くの中小企業がそう思うでしょう。たしかにDX化にはお金がかかるうえ、リソースも必要です。場合によっては、企業の風向きを変えるような大きな意思決定になるでしょう。

失敗を防ぐためには、成功のイメージを掴むことが大切です。そこで本記事では、中小企業によるDXの成功事例を詳しく解説します。

目次

DXとは?目的や求められる背景

DX推進の前に、まずはDXとは何なのか?です。DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の頭文字をとった用語。わかりやすくいえば、デジタル技術の活用によって業務プロセスを効率化することです。たとえば、クラウドツールを利用したり、データ分析を行ったりして、業務効率化や顧客満足度の向上を図ります。

競争力を高めることが、DX化の主な目的です。インターネットやスマートフォンが普及した現代において、市場や顧客ニーズがめまぐるしく変化しています。こうした激動の中、企業が生き残るために「DX化」が求められています。

【業界別】中小企業のDX成功事例8選

DX推進に成功した中小企業の事例を見ていきましょう。製造業をはじめ、建築業や物流業など「業界別」に取り上げています。

【製造業①】業務プロセスを見える化 | 株式会社今野製作所

画像引用:株式会社今野製作所

株式会社今野製作所は、自社ブランドの油圧ジャッキをはじめ、板金加工事業を展開する会社です。DX推進のポイントは次のとおりです。

課題(きっかけ)オーダーメイド受注によって社員の負担が増大していた
DX推進の内容「生産管理」と「情報共有」に関するシステムを導入
結果出荷までのプロセスが可視化され、拠点間のコミュニケーションも円滑になった

同社は、2000年代初期から「IT」には惜しまず投資。イントラネットや電子メールなども積極的に取り入れたといいます。しかしながら、リーマンショックによって業績不振に直面。状況を打開するために、業態を「オーダーメイド受注」に切り替えたものの、社員の負担が大きく、残業時間が増えざるをえない状況になったそうです。

こうした負担を減らすべく、「生産管理」そして「情報共有」の2軸におけるDX化を推進。受注から調達、製造、出荷まで一連のプロセスを見える化できる「生産管理システム」を導入しました。

情報共有では、ノーコードツールによってオリジナルアプリを作成し、社内外とのやり取りを円滑化。商品の引き合いから出荷までの可視化、そしてコミュニケーション円滑化によって、業務効率が大幅に高まったそうです。複数拠点でのやり取りもスムーズに行えているといいます。

参考:デジタル活用・DX事例集 vol.28 株式会社今野製作所 | 東京商工会議所

【製造業②】手書き伝票をデジタル化 | 株式会社ホープン

画像引用:株式会社ホープン

株式会社ホープンは、印刷や教育企業向けのアウトソーシング、デジタルコンテンツ作成などの事業を展開する会社です。同社のDX推進におけるポイントは次のとおりです。

課題(きっかけ)伝票の「手書き」によって社員の負担が増え、業務も属人化していた
DX推進の内容スキャンによる文書の読み込み、タブレット注文に移行した
結果ヒューマンエラーが削減され、属人化も解消された

これまで「手書き」で伝票を作成していた同社。しかし、社員はもちろん、新人教育への負担が大きかったそうです。そこで「スキャンto PDF」「AI-OCR」など、文書をスキャンするだけでデータ化できる施策を実施。注文もタブレットでの受け付けに変更しました。

その結果、社員の負担軽減、そしてミス軽減につながったそうです。タブレットに自動計算機能を付帯したことで、ヒューマンエラーはほぼゼロに。「誰がどのような注文を受け、どこに何を記録したかわからない」といった手書き伝票ならではの属人化も解消されたといいます。

参考:デジタル活用・DX事例集 vol.39 株式会社ホープン | 東京商工会議所

【製造業③】開発ツールの導入で現場の課題を解決 | バキュームモールド工業株式会社

画像引用:バキュームモールド工業株式会社

バキュームモールド工業株式会社は、プラスチックシートの金型(製品の大量生産に用いられる金属製の型)の製作を行うメーカーです。DX推進のポイントは次のとおりです。

課題(きっかけ)他社の成功事例を見て、DX推進に奮起した
DX推進の内容ノーコードのWeb開発アプリを導入した
結果オリジナルアプリを実装したことで、金型や物品など現場の課題解決につながった

同社の社長は、さまざまな経営者同士とつながりをもっていたことから、他社のDX成功事例に触れる機会も多かったそう。他社の社長による「DXに対する熱意」に触れ、自社でも取り組みを始めたといいます。

施策として、ノーコードのアプリ・Web開発ツールを導入。Webアプリとスマートフォンアプリの両方を作成できるツールを選定し、オリジナルアプリを次々と社内開発しました。たとえば、金型や物品を管理できるアプリ、見積書を作成できるアプリなどです。「現場の”かゆいところに手が届く”アプリ」を開発したことで、業務の効率化、コスト削減につながったといいます。

参考:デジタル活用・DX事例集 vol.24 バキュームモールド工業株式会社 | 東京商工会議所

【建築業】全員が快適にテレワークができるよう社内を整備 | Tohnetsu Group

画像引用:Tohnetsu Group

Tohnetsu Group(トウネツ グループ)は、1960年に創業され、建築・設備と建物総合管理をメインに行う会社です。DX推進のポイントは次のとおりです。

課題(きっかけ)テレワークによって社員一人ひとりの業務負担を減らしたかった
DX推進の内容社員へスマートフォンを配布し、ソフトやアプリにアクセスしやすい環境を整えた
結果あらゆる業務がデジタル化され、業務のムダが削減された

建築業界は「現場仕事」がメインなので、テレワーク化できない業務が多かったそう。そんな中でも、無理してオフィスに行かなくてもよい体制を作り、社員の負担を軽減したかったといいます。

テレワーク環境を整えるにあたって、社員へスマートフォンを配布したり、クラウド型の統合アプリケーションを導入したりしたそうです。具体的には、誰でもすぐ情報にアクセスできる共有フォルダーの利用、タイムカードの代わりとして静脈認証のタイムレコーダーの設置などを実施。

タイムレコーダーに記録された勤怠データはそのまま給与計算に反映されるため、計算の手間も削減されたそうです。あらゆるバックオフィス業務を効率化することで、社員がストレスなくテレワークできるようになった事例といえます。

参考:デジタル活用・DX事例集 vol.7 Tohnetsu Group | 東京商工会議所

【小売業】オンライン予約決済システムの導入 | 株式会社スリジエル

画像引用:Avranches Guesnay

株式会社スリジエルは、洋菓子の製造販売を行う店舗「Avranches Guesnay(アヴランシュ・ゲネー)」を運営する会社です。DX推進のポイントは次のとおりです。

課題(きっかけ)コロナ禍で入店制限をかけた際、店外に長蛇の列ができてしまった
DX推進の内容ケーキの予約受注作業をオンライン化した
結果労働負担の軽減や見込み客のロス削減につながった

同店では、クリスマスケーキの予約時期(11月上旬〜12月中旬)の忙しさに課題を感じていたそう。この時期には常時130%以上の来店率があり、さらにコロナ禍で入店制限をかけたことで、店外に長蛇の列ができていたといいます。ケーキの予約販売だけでなく通常の商品販売も並行するため、スタッフの負担も大きかったそうです。

これでは顧客満足度が下がると危機を感じ、DX化を検討するように。なかでも改善の余地があった「ケーキの予約受注作業」をオンライン化しました。オンライン予約決済システムを導入したことで、顧客がインターネットからケーキを予約、決済までできるように。受け取り当日には店頭でQRコードを見せるだけでケーキを受け取れる仕組みにしました。

その結果、スタッフの労働負担軽減はもちろん、顧客の待ち時間が大幅に削減。また、店内の様子だけ見て帰ってしまう顧客(=顧客ロス)も経験されたといいます。

参考:デジタル活用・DX事例集 vol.21 株式会社スリジエル | 東京商工会議所

【卸売業】DX化によって少数精鋭での安定経営を実現 | 株式会社山秀

画像引用:株式会社山秀

株式会社山秀(さんしゅう)は、ドイツ製ハンガーの正規代理店でありながら、家庭用品の輸入雑貨も扱う会社です。DX推進のポイントは次のとおりです。

課題(きっかけ)社員数に対して業務量が多すぎた
DX推進の内容自社オリジナルの業務システムを導入した
結果業務負担が軽減、リモートワークへの移行もスムーズにできた

当時、社員が6名だった同社。「限られた人員でも事業を回せるようにしたい」といった思いがあり、そのためにはDX化が不可欠と考えていました。個々の業務が属人化していた現場もあったため、解決のために3つの改善策を実施。「ホームページのデザイン改良」「ECサイトの構築」「業務システムの導入」の3つです。

業務システムでは、業務負担が大きかった「販売管理」「在庫管理」をテコ入れ。社員の入力負担や確認作業が減るようなシステムを設計し、自社にとって使いやすい仕様にしました。業務負担が軽減したことはもちろん、コロナ禍におけるリモートワークへの移行もスムーズだったといいます。

参考:デジタル活用・DX事例集 vol.2 株式会社山秀 | 東京商工会議所

【物流業】営業から配車、収集をシステム化 | 白井グループ株式会社

画像引用:白井グループ株式会社

白井グループ株式会社は、東京23区内を中心に産業廃棄物の収集・運搬を行う会社です。廃棄物ビジネスのDX化によって新たな街づくりを目指す、をモットーにDXやデジタルシフトを進めています。DX推進の内容は次のとおりです。

課題(きっかけ)廃棄物ビジネスのDX化による新たな街づくりを掲げていた
DX推進の内容事業ゴミの受付システムやAI配車システムなどを導入した
結果収集ルートの属人化が解消、業務効率が大幅に高まった

同社では、営業から配車、収集にいたるまで一気通貫でDX化。たとえば、消費者が事業ゴミの申し込み〜決済までをシステムで行えたり、AI配車システムを導入したりといった内容です。

AI配車システムでは、ゴミの種類や曜日、車両積載量などさまざまなデータをもとに、AIが最適な収集ルートをアウトプット。運転手はルートに基づいて走行、収集を行います。配車ルートはブラックボックス化しやすく、運転手の経験によってルートが異なるケースが多かったそう。配車システムによって、運転手によるルート決めの属人化が解消されたといいます。

また、「タグ」が取り付けられたゴミ袋も開発。ゴミ袋のタグを読み取ることで、誰がどのくらいゴミを廃棄したかが可視化されるようになりました。ゴミ収集の一連のプロセスが効率化されたうえ、最適なルートを通ることでCO2削減にもつながったそうです。

参考:デジタル活用・DX事例集 vol.31 白井グループ株式会社 | 東京商工会議所

【情報通信業】社内向けアプリを開発 | 株式会社イントロダクション

画像引用:株式会社イントロダクション

株式会社イントロダクションは、SES(システムエンジニアリングサービス)や、システム受託などの事業を行う会社です。DX推進の内容は次のとおりです。

課題(きっかけ)社員のワークライフバランス実現のためにDX化を推進した
DX推進の内容福利厚生のひとつである「食事補助制度」のアプリを開発
結果社員側、経理側の両方のレシート処理業務が効率化された

「日本で一番ホワイトな会社」を掲げる同社。社員のワークライフバランス実現のためにさまざまな福利厚生制度を提供しています。その中にある「食事補助制度」にアプリケーションを活用しており、制度を効率的に管理できるようアプリを自社開発。具体的には、社員が外食をした際のレシートをAI-OCRで読み取れる機能を追加しました。

社員がレシートの内容を入力し、原本を提出する手間が削減。経理側の負担も大幅に削減されたそうです。なお、このアプリの開発には「生成AI」を活用しており、アプリ開発経験のない社員が担当したといいます。

参考:デジタル活用・DX事例集 vol.40 株式会社イントロダクション | 東京商工会議所

中小企業がDX化を推進するメリット

中小企業がDX化を進めるメリットとして、次のものがあげられます。

  • 人手不足でも生産性を保てる
  • 顧客ニーズの変化を掴みやすくなる
  • テレワークが捗るようになる

DXでは、CRM(顧客関係管理)や会計ソフト、AI-OCRなどシステムを用いるため、紙や手作業で行っていた仕事がデジタル化されます。一人あたりの生産性が高まるため、人手不足でも同等あるいはそれ以上の企業利益を生み出せるのです。

ほかにも、システムに蓄積されたデータに基づいて市場や顧客のニーズを判断できたり、テレワークの円滑化に役立ったりします。

中小企業によるDX化のメリットについては、次の記事で詳しく解説しています。

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「自社オリジナルのシステム」を開発すれば、さらにDXの効果を高められる

お伝えしたように、外部のシステムでもDXの効果が期待できますが、「自社オリジナルのシステム」を作ることで、さらにDXの効果を高められます。

独自システムを作るメリットは?

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【まとめ】DX化は費用対効果の高いマーケティング戦略の1つ

本記事では、DX化に成功した中小企業の事例を紹介しました。製造業をはじめ、卸売業、建築業、物流業などさまざまな分野でDX化が進んでいます。生産から販売、書類作成、タイムカードなどデジタル化できる業務はさまざまです。
まずは、業界の特性を理解したうえで、自社にとってDX化が必要な業務を洗い出しましょう。自社に最適化されたシステムを導入したい場合は、こちらにお問い合わせください。

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